TMSC Vitz Clubman Race 2012 西日本シリーズ 第1戦 レポート

2012-03-08

●最後まで続いた5車によるトップ争い

今年から「TMSCヴィッツクラブマンレースシリーズ2012」が4地区でシリーズ戦が組まれ全22戦が開催されるが、その開幕戦になる西日本シリーズ第1戦が3月4日、岡山国際サーキットで行なわれた。開幕戦ということで参加台数が心配されたが、関東からも2台が加わり、計10台のエントリーはまずまず。様子見でエントリーを見送った人もあるようで、今後増えていきそうな感触が得られた。注目されたのは往年の名ドライバー、何に乗っても速いといわれた#13眞田睦明だ。

昨年までのヴィッツレース車両はTRDの指定部品の使用義務付けが多かったが、TMSCのこのシリーズ戦車両では一般ショップやパーツメーカーが参入しやすくするため、指定パーツは解除されている。タイヤについてもSタイヤがOKとなった。今回は初戦ということもあり、Sタイヤを履いたのは関東勢の2車だけだったが、ノーマルエンジン車であるから、パワーを食われる面があり、絶対的に有利かどうかは難しいところ。

実際に予選では一般市販ラジアルのクムホをはいた#40宮田耕治がポールポジションを獲得、2番手もネオバの#89小松高人で、Sタイヤ勢では#68林孝冶郎が3位、#13眞田が4位だった。ちなみにポールポジションタイムは、2分00秒572だった。

天候は下り坂で、曇りながら予選まではドライ路面を保っていたが、決勝前から弱い雨が落ちてきて、結局決勝レースはウェットとなった。このレースはマーチレースとの混走の形を取り、マーチが先のグリッドに着けることになっている。といってもマーチは1台だけで、2列目以降にヴィッツ10台が並ぶ。
決勝レースはまず前のグリッドにいたマーチが集団の先頭を走るが、数周したところでスピンアウトして大きく後退、まさにヴィッツのレースとなった。予選タイムでは5番手までは4秒もの差があったが、決勝レースではその5台が集団となっての大バトルとなった。ウェットということもあり、ちょっとしたドライビングミスがタイムロスを招き、順位は激しく入れ替わる。#40宮田に取って代わってトップにたった#89小松は、そのポジションを守ろうとするが、混戦にも強い#13眞田が巧みに追い上げる。ベテランらしくちょっとした隙を付いて並びかけるが#89小松が抑える。バトルは最後まで続き、最終ラップにダートにはみ出されながらも追い上げる眞田は、最終コーナーからの立ち上がりでわずかに前に出る。だが#89小松のほうの伸びがよく、100分の6秒という鼻の差で#89小松が先にチェッカーを受けた。

だが、結局2回の接触があったのは残念であった。ターンインで並びかけられたら先行車はインを締めてはいけない。1車分の幅を空けるのがルールだが、それが守られなかった結果といえよう。並んだ2車が接触せずにコーナーをクリアするバトルこそ本当のバトルであり、観客を感動させるということをすべてのドライバーが認識しておきたい。

なお、3位には女性ドライバー#927四十塚歩が、終盤に前に出て3位に入った。彼女は波乱含みの争いを後ろから着いていき、ミスしたライバルに先行して前に出る頭脳プレイで得た表彰台だった。

 

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